【書評】あなたの1日を3時間増やす「超整理術」コツ #ビジネス書を楽しもう
はじめに
せーのでございます。
誰にも知らせずまったり始めている「ビジネス書」アドベントカレンダー、本日は14日目です。
バックナンバー
- Day1: やる気が上がる8つのスイッチ
- Day2: 自分を操る超集中力
- Day3: なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
- Day4: 秋本治の仕事術
- Day5: 遅読家のための読書術
- Day6: 読みたいことを、書けばいい。
- Day7: 影響力の武器
- Day8: 会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン
- Day9: なぜかミスをしない人の思考法
- Day10: 頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?
- Day11: 僕がコントや演劇のために考えていること
- Day12: 習慣が10割
- Day13: 頭のいい説明「すぐできる」コツ
本日は吉井雅之著「あなたの1日を3時間増やす「超整理術」」です。
1日があと3時間増える。魅力的なフレーズですね。今回は時間術の一つなのですが「整理する」ということにフォーカスを置いた本になります。物理的な机の上を整理することからはじまり、扱っているデータの整理などを通じて自分の仕事方法を整理し、3時間の空き時間を生み出す、という仕事術です。
この本の特徴は数々ある整理術をさらに14日間のプログラムに整理し、1日ごとにクリアしていくと14日後には3時間のスキマ時間が取れている、という構成になっていることです。
- 1日目: デスクの整理
- 2日目: 書類の分類
- 3日目: 紙のデータ化
- 4日目: スケジュールへ落とし込む
- 5日目: データの分類
- 6日目: クラウドに必要情報をまとめておく
- 7日目: ひと目でわかる索引を作る
- 8日目: ネタとなるデータを保存する
- 9日目: 自分の時間を把握する
- 10日目: 定型化で時間を生み出す
- 11日目: 隙間時間の活用
- 12日目: 習慣化する
- 13日目: 自分をコンテンツ化する
- 14日目: お金の整理
テーマとしては「身の回りを整理することで探す無駄をなくし、余った時間で自己投資しよう」というものです。
といってもこちらの本は2014年に出たものなので、クラウドツールの使い方などは若干古くなっています。なので本日はこの中から大事なエッセンスのみご紹介し、その考え方や方法を学ぶことにしましょう。
物理スペースの整理
まずとりかかるのは身の回り、つまり机の整理です。
- 机の中に入っているものを全て取り出す
- 用途別に分類する(ペン、付箋、など)
- 使用頻度の優先順位をつける
- 上から20種類だけ残して、残りは共有スペースや物置にしまう
20種類、というのはかなり少ないですが、ものを整理する、ということは言い換えれば「ほしい時に欲しい物が即座に手に入る状態にする」ということです。使用頻度の少ないものを手元に置いておくと、すぐ取り出せる状態にものの場所を確保できない、とこの本は言います。
考え方としては「断捨離」に近いと思います。物理的に目に入るもの、というのはそれだけで人の集中を削ぎます。まずは選択肢を減らし、余計なことを考えない環境を整える事が、時間を作る第一歩なのですね。
この本ではその後、紙の書類を処理時間によって分類し、ファイリングするコツなどが書かれているのですが、現代のエンジニアはあまり紙は使わないので省略します。その他名刺などは全てデータで保存しよう、ということも書かれています。2014年の時点でこの考え方があったのですね。今はsansanなど名刺のデジタル管理ツールや、そもそもデジタルでの名刺交換などが主流ですが、根本は同じで「デジタル化して検索できるようにする」ということが整理することにとって大事だ、ということですね。
スキマ時間を可視化する
物理的な整理ができたら、次は時間の整理を行います。
時間の整理とはつまり「どんな作業にどれくらい時間を使うかスケジューリングする」ということです。
- やるべきことを全てGoogleカレンダーに書き込む
- 自分が考えている予定時間の2倍の時間を取ってスケジューリングする
- 30分もかからない用件は10個まとめて時間を取ってカレンダーに予定を入れる
- 実際の行動を分単位で記録する
- 本来の仕事以外の時間を圧縮する
- 日常作業のすべてを加速する工夫を考える
- 定型化する
- テンプレートをつくる
- よく使うフレーズを短文登録する
- 習慣化する
最初のうちは仕事のスケジュールは広めに取ります。これは「予定時間内に終わらせる」ということが何より大事だからです。
そのうち、実際にかかった分数から徐々に調整していけばいいのです。
大事なのは仕事以外の時間をどのように使っているか記録しておくことです。これは数分単位であればあるほどいいです。私はTogglというツールを使って時間を測っています。
こうやって細かく記録していくと必ず次の動作に対してズレが有ること、実は始業時間から業務をスタートしていないこと、などに気が付きます。これを段取りによってなるべくなくしていくわけです。
その段取りに役立つのが「定型化」です。似たような作業はテンプレートを作って自動化を図りましょう。「お世話になっております、◯◯です。」「よろしくお願い致します。」などのよく使うフレーズは単語登録しておくと一文字で入力できるようになります。これは細かいようでいて時短にとても役立ちます。
そして「習慣化」です。このアドベントカレンダーではおなじみですね。習慣化してしまうことで負担なく仕事がこなせるようになります。
この時間の整理をすることで、普段使っていた余分な時間が浮き出てきます。次はこの生み出した時間をどうするかです、
余った時間は自己投資とコンテンツ化に使う
何かを探し回る無駄な作業を減らし、時間の使い方を見直して余計な時間を整理することで生み出した時間は「自己投資」と「コンテンツ化」に使うといい、とこの本はアドバイスしています。
自己投資はわかりますね。資格取得や新たな技能、勉強、知識の吸収などです。
コンテンツ化、というのはざっくりいうと「コンテンツを作成するための作業」となります。今の言い方だと「アウトプットする」というのが近いと思います。ブログを書く、本を執筆する、イベントを主催する、Youtubeの動画を撮る、新商品の企画を考える、などです。
コンテンツを作る、というのは普段経験がない人にとってはハードルが高いもののように思えます。が、今は発信手段がたくさんあるので、心持ち一つでコンテンツの種を作り出すことは可能です。その例としてこの本では電車からの写真を撮り続けた人の例を紹介しています。
その人は毎日通勤の電車からディズニーランドの駐車場が見えるので、それを写真に撮ってネットにアップしていたそうです。通勤時間にパット写真を撮るだけ、特に手間はかかりません。ところが、この作業を1年ほど続けていたところ、1年を通して同じ時間帯のディズニーランドの駐車場の混雑状況がわかるデータとして大人気になったそうです。年間を通じて混雑する日や曜日が明らかになったからです。
このようにコンテンツの種になりうるアイデアは
- 些細なことを当たり前と流さずに引っかかる、問題提起する
- 同じことを継続する
- 人の考えたことではなく、オリジナルを追求する
という辺りに転がっています。特に「続ける」ということがとても重要な要素となります。2020年はデータがとても重要視された年です。同じ事を継続して続けることでデータが溜まります。そのデータが思わぬことに使えるかもしれないのです。
なかなか物事を続けることができない、という人は私の過去のエントリを御覧ください。
まとめ
以上、今日は「あなたの1日を3時間増やす「超整理術」」をご紹介しました。
物理的な整理術と、いわゆる「時間術」、クリエイティビティを生み出す種までを「整理」という観点でまとめているのはとてもめずらしいと思いました。
時間を意識し、能動的に時間を圧縮することで自由な時間を作り出す、という方法論は汎用的でありながら、意識していないとできないことでもあります。この本を機会に自分の使っている時間をもう一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。
それではまた明日、お会いしましょう。